テストレポート
冷凍方法でおいしさに差がでる!?野菜で検証しました。
2024.10.24
冷凍方法でおいしさに差がでる!?【TFS(トータルフードソリューション)の取り組み事例】
いつでも食べることのできる「冷凍カット野菜」。利便性やおいしさ、手に入りやすさが注目され、需要が高まっています。従来、野菜や果物の冷凍は難しいとされていましたが、冷凍技術の発展により高品質で冷凍することが可能となっています。
但し、生鮮品をそのまま凍結しても食感が損なわれてしまうことが多いため、冷凍する前に「ブランチング」という加熱処理が必要となります。
ブランチングとは
ブランチングとは、野菜の凍結加工前の下処理として品質を保つために短時間の加熱処理を行うことです。野菜の酵素を不活性化するだけでなく、野菜本来の品質と色調を保ちながら長期間保存するためには不可欠の工程です。ブランチング方法に関しては処理中に野菜成分が流出することがないような方法が望ましく、熱湯ブランチングより蒸気ブランチングの方が品質が良好だと言われています。
蒸気ブランチングの工程を経た野菜が、冷凍方法の違いで食感やおいしさに変化が出るのかを検証しました。
試験方法
ブランチング処理(蒸気加熱)したナス、ニンジン、ジャガイモ、ブロッコリーをトンネルフリーザー(急速凍結)と家庭用冷凍庫(緩慢凍結)それぞれで凍結しました。
〇対象食材
■ナス4㎜の乱切り→5分間ブランチング→凍結
■ニンジン4㎜の乱切り→15分間ブランチング→凍結
■ジャガイモ4㎜の乱切り→12分間ブランチング→凍結
■ブロッコリー(房部分のみ使用)7㎜カット→5分間ブランチング→凍結
凍結条件
【急速凍結】
使用機器:スーパージェットタイプトンネルフリーザー(SJ)
庫内温度:-35℃
風速:18m/s
コンベア上下に設置されたノズルから冷気を吹き付けるエアブラスト方式では業界最速の凍結方式。効率的に食品を冷やすことが出来ます。
【緩慢凍結】
使用機器:業務用冷凍庫
庫内温度:-25℃
評価方法
凍結した野菜を一定期間保存し、冷蔵庫で解凍後官能評価を実施しました。
※官能評価はそれぞれの検体がとちらの凍結かわからないようにブラインド試験を実施
※タカハシガリレイ社内での比較試験になります。
評価結果
官能評価の結果は以下の通りとなりました。
※SJ(急速凍結)を0として比較しています。
香りや見た目は差がほとんどない、という結果でした。一方で味や歯ごたえはすべての野菜で顕著に差が出ました。
まとめ
今回比較検証した野菜に於いては
急速凍結させた野菜の方が【味】【歯ごたえ】が良く高品質に凍結できる。
できるだけ低温で、最大氷結晶生成温度(一般に-1℃~-5℃)をいかに速く通過させるかがポイント
ご家庭で冷凍させる場合は、下記を実施することでと冷凍時間を短縮でき、急速凍結に近い状態にできるので、お試しください。
できるだけ空気を抜く
小分けで量を少なくして冷凍させる
TFS(トータルフードソリューション)の取組は下記からご確認ください。
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