テストレポート
イカは冷凍するとおいしくなる?!
2025.10.16

イカの生産地では、『新鮮なイカをあえて冷凍してから料理することでさらに美味しく食べられる』という言い伝えがあるそうです。ガリレイフードサイエンスセンターでは、イカを冷凍させることでどのような変化が現れるのかを数値化し検証しました。今回は、新鮮なイカとそれを凍結したイカを使って、食感と味を比較検証してみました。
検証①「レオメーター」による食感測定
目的:凍結することによりイカの食感に変化が生じるかを検証
測定項目:イカの応力・破断強度測定
条件:剣先イカ(生) …活イカをスチーム100℃で90秒加熱する。 剣先イカ(緩慢凍結)…活イカを保存袋に入れ―15℃の冷凍庫で20時間保管し凍結。 その後、スチーム100℃で90秒加熱する。 剣先イカ(急速凍結)…活イカをブラストチラーにて急速凍結させる。 その後、スチーム100℃で90秒加熱する。 検証方法:2センチ角のサイズに成形したイカの胴体に対しレオメータを使用して硬さの測定を実施。
結果は・・
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生の状態と比較して緩慢凍結では約2/3の硬さになりました!
急速凍結はあまり変化がないので【ゆっくり凍結】させることでイカは柔らかくなるということがわかります。
検証②「アミノ酸分析機」によるうま味測定
目的:凍結することによりイカのうま味に変化が生じるか測定する
検体:剣先イカ(生) …活イカをスチーム100℃で90秒加熱する。 剣先イカ(緩慢凍結)…活イカを保存袋に入れ―15℃で20時間保管し凍結。 その後、流水解凍しスチーム100℃で90秒加熱する。 剣先イカ(急速凍結)…活イカを―40℃にて急速凍結させる。 その後、流水解凍しスチーム100℃で90秒加熱する。
検証方法:上記の検体をアミノ酸分析機で分析を実施。
結果は・・・
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アミノ酸総量は微増でしたが、うま味成分に関与しているグルタミン酸の量が冷凍によって増加していることがわかりました。
※本検証は外部研究機関にて実施
検証③「味認識装置」による味覚測定
目的:凍結することによりイカの味に変化が生じるかを検証
測定項目:イカの味覚分析
条件:剣先イカ(生) …活イカをスチーム100℃で90秒加熱する。
剣先イカ(緩慢凍結)…活イカを保存袋に入れ―15℃で20時間保管し凍結。
その後、流水解凍しスチーム100℃で90秒加熱する。
剣先イカ(急速凍結)…活イカを―40℃にて急速凍結させる。
その後、流水解凍しスチーム100℃で90秒加熱する。
検証方法:上記の検体を同量・同サイズに成形したイカの胴体に対し各種分析機器にて測定し分析。
結果は・・・
冷凍後のイカは苦味雑味が減少しており、うま味コクは感じやすくなることが分かりました。
まとめ:イカは冷凍することで下記の変化が生じる。
①食感が柔らかくなる
②グルタミン酸が増加する
③苦み雑味が減少し旨味コクが感じやすくなる

考察
イカのうま味がUPした要因は、細胞の中にある筋原線維が壊れ、中から酵素が出現、酵素がたんぱく質を分解して うま味成分を作り出してくれているからだと考えられます。タカハシガリレイのトンネルフリーザーは、お客様のニーズに合わせた冷凍技術のご提案が出来ます。このイカのように、「実際にテストを行うと冷凍のメリットがある」かもしれません。お気軽に凍結テストをご利用ください。
*1 この検証結果は、2022年7月28日にNHKで放送された 「あしたが変わるトリセツショー」でも紹介されました。
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