テストレポート
きのこを冷凍するとおいしくなる!?
2024.11.14
きのこを冷凍するとおいしくなる!?【TFS(トータルフードソリューション)の取り組み事例】
すっかり秋も深まり肌寒くなってまいりました。このような寒い季節にはお鍋がおいしいですね。今回はお鍋にも大活躍の「きのこ」に関する記事をお届けします。
実は、きのこは冷凍することでよりおいしくなると言われているのです。そこで、弊社の食材研究チーム【TFS(トータルフードソリューション)】がきのこの凍結実験を行いました。
試験方法
1.常温の舞茸を適当な大きさに裂き、同量ずつをA~Cとしました。
2.A~Cの舞茸を以下の条件で冷凍処理しました。
A:生鮮のまま(冷凍なし)
B:トンネルフリーザー(庫内設定-35℃)にて芯温-18℃まで急速凍結を行いました。
C:家庭用冷凍庫(庫内設定-25℃)にて芯温-18℃まで緩慢凍結を行いました。
3.A~Cの舞茸それぞれにラップをかけ、芯温が80~90℃になるまで電子レンジで加熱しました。
4.それぞれをミキサーにかけ、味認識装置で各項目を測定しました。
科学的なおいしさの測定方法
「おいしくなったかどうかは人によって感じ方が違うのでは…」と考えた方もいらっしゃることでしょう。官能評価を行っても意見が割れてしまったり、少人数では偏ったデータとなってしまい、おいしさの定義づけは食材研究の難しい課題です。
そこで、弊社では人間の味覚を科学的に認識することができる「味認識装置」を導入しています。味認識装置では、食材に含まれる以下の項目を数値化することができます。
試験結果
A(下処理なし)の舞茸の値を基準値とすると、結果は以下のようになりました。
±0.5以上の差があった場合、ほとんどの人が味の変化に気が付くと言われています。
※ 測定の結果、どの舞茸にも含まれない味覚項目は省略して記載しています。
A(生鮮)の舞茸と比較すると、
B(急速凍結)の舞茸は、苦味雑味が減少し、塩味と飲み込んだ後も続くコクが増加しました。
C(緩慢凍結)の舞茸は、塩味と口に入れた時の旨味が増加しました。
まとめ
今回の検証実験から、きのこを冷凍することで舞茸の味に変化が現れることがわかりました。
冷凍することで、調味料を使うことなく味の印象を調整できる可能性があります。今後も検証を続けて参りますので、お楽しみに!
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